- 013 災難 -
小さな魔方陣が大気の中に溶けてゆく。
界を渡り出た先は、第2の故郷である精霊王国リュア。
久しぶりに羽を伸ばして散歩をしていたその時、彼女はその国へとやってきた。
茶色の髪に赤と蒼のオッドアイ、斧を持った少女。
その時は、まだ彼女の名前しか知らなかったけれど。
Long-Boots「|w・)えるふのメルチャンだー」
Meru「にゃ?あ〜、天使さんの所の〜!」
パタパタと声のした方に移動……
Long-Boots「てーいっ!(どーん」
Meru「きゃ〜!w」
初めましての挨拶は、元気な突撃から。
猫姿ではかるーく吹き飛ばされたけれど、すぐに人間形態に戻って握手。
お話していると、すぐに彼女が大好きになった。
そしてこの国の重要アイテム、巻物の話をしているときにふとその話は出てきた。
それは、この国に城を構えるとある吸血鬼に関する……
Long-Boots「巻物はそこかしこの敵サンが持ってるからネ('';」
Meru「敵さん…どうか吸血鬼の所じゃありませんように…('';」
だって、何故なら。
Meru「そうなったらローゼ召喚しなくちゃいけなくなる〜(^^;」
あそこの吸血鬼は神経質なまでに用心深い。
ちょっとでも自分より強いと感じた相手には、絶対に扉を開かないのだ。
以前久しぶりに覗いた時、攻撃能力はともかく錬金関連の修行をちょこちょこと積み重ねてあったら、それだけで門前払いをされてしまったのだ。
まったくズルイ奴。しかもアイツは……
Long-Boots「ていそーの危機感じちゃうよネ、吸血鬼サン(・w・;」
Meru「はっ!そういえばそうですねっ!じゃあ、ローゼもステラも危険〜!」
あの吸血鬼は怪しい言動が多いのだ。
Croith「ここは一つ、私の好物でおもてなししようか・・・。」
Croith「いよいよ・・・会えるね・・・。」
Croith「くっくっくっく・・・」
思い返してもヤッパリ怪しい。どうにも裏に変なのがありそうに聞こえる。
だって、吸血鬼といえば首筋に…だし。と思うとやっぱり……
Long-Boots「アタシも危険ー(*ノwノ」
Meru「…ぐーたらレイアルを呼び出そうかな?男なら構わないだろう」
実際、レイアルだったら準備さえすれば問題ないよなって思ってた。
それに男なら…まぁ事故って事で。
Long-Boots「かみゅみゅは鳥肌立ててたヨ」
Meru「かみゅさん、危険なんだ〜w」
Long-Boots「入れないケド、「こんな事言われたー」といったら悲鳴上げてたノ」
カミュさん…=M= 団所属の風の魔剣士さん。とても強い人。
もちろん、彼のステータスじゃクロイスは扉を閉ざしちゃう。
…でも、たしか…
Long-Boots「いつかヴァーユクンが来るという噂(・w・+(どんな反応か楽しみケロっ」
Meru「カエルさん〜w …はっ、使い魔という事は…」
Long-Boots「使い魔…」
Meru「危険な目に会うと、カミュさんも体験っ!?」
Meru「(*ノノ 」
Long-Boots「(*ノノ キャー 」
必ずしも全ての使い魔がそうとは限らないけど。
ヴァーユ君はカミュさんが自分の魔力を分け与えた存在のはず。
その場合、結構な確率で感覚共有可能なはずで……
Meru「カミュさんに教えてあげましょう「ちゃんと体験できるじゃないですか〜」ってw」
Long-Boots「(*ノノ 使い魔持ちは危険ダネ!」
Meru「危険ですね…(*ノノキャ 」
Long-Boots「(*ノノ クロイスサンったらうらやましい」
Meru「カミュさんのあれやこれや・・・きゃ〜っ!(*ノノ 」
……ってなるような気が!
思わぬ発想から盛り上がったお話。
そのあとヴァーユ君が来たのか、そしてカミュさんはどうなったのか。
…知らないけれど。
きっとご本人にとっては災難。
でも…ちょっと興味湧いちゃう、やっぱり。
どうなったのかなぁ?
〜Meru〜
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